スタッフ杉浦の高麗手指鍼セミナーブログ
第14期 高麗手指鍼学術セミナー・本科受講生の杉浦です。
第4回(平成30年7月15日開催)の高麗手指鍼学術セミナー・本科を
受講しました。
セミナーの最初の質問コーナーで、私も疑問に思っていたことを
他のセミナー生が質問をしてくれました。
それは鍼の置鍼に関するもので、「置鍼30分をするのと置鍼せず
に同じ個所に鍼を何度も抜き差しするのとでは、どちらが効果が
あるのか?」との質問です。
その質問に対しては、即答で置鍼30分と明確に答えられていまし
た。さらに効果を高くする方法として、置鍼30分後抜鍼し、再度
同じ個所に刺鍼し置鍼30分を何度も連続で繰り返すのが一番効果
があると教えてくださりました。
私の質問としては、腹診における「三一体質」の名前の由来につ
いての質問をしました。恐らくとのことですが、「三一」の「三」
は「陽実」「陰実」「腎実」を表し、「一」は「複合体質」を
意味しているとのことでした。
小松先生は、質問以外にも様々な話をしてくださりますが、その
中で印象に残ったことが以下のことです。
いろいろな治療法を学び様々な治療法ができるようになることよ
りも、一つの治療法を磨きあげることの方が、量質転化もおこり
より高い治療効果を出せるようになるとのこと。
例えとして、同じ柔道を習うにしても、柔道、空手、剣道、それ
ぞれ初段を持っている方よりも、柔道5段のみを持っている方に
習いたいと思うのが一般的。
患者さんも自分の愁訴に対して、その分野の治療に秀でた治療家
を選ぶのは当然のことだと思います。
当たり前とは思っていましたが、一つの道を極めていくことが
大事だと改めて感じました。
さて、今回の高麗手指鍼セミナーの内容としては、主に「14気
脈論(前回の続き)」と「五治処方論」についてでした。
14気脈論では、膀胱気脈・腎気脈・心包気脈・三焦気脈・
胆気脈・肝気脈の範囲について説明がありました。今回で14
気脈論の範囲をすべてを学習したことになります。小松先生が
大事なところだけに絞って教えてくださるので、覚えることは
それ程大変なことではないと感じました。学校で14経脈を習っ
たころを思い出すと拍子抜けするほどです。
続いて、五治処方論の説明をしていただきました。五治処方は学校
で習うところの本治法にあたり、高麗手指鍼の治療法の中でも
一番大事なところなので、早く学びたいと思っていました。
五治処方論とは、難経69難を約500年前の韓国の僧である
「舎岩道人」という方が、独自の解釈をした治療法になります。
一般的には、体鍼で行われているものになりますが、高麗手指
鍼では、それを手の相応部に当てはめて応用しているものになり
ます。
各気脈の正方(補法)、勝方(瀉法)は、それぞれ4穴ずつあり、
その4穴を導き出す理論を教えてもらいました。しかしながら、
小松先生は理論から導き出すより、それぞれの4穴をビジュアル
で覚えた方が早いと言われていました。
その為のハンドブックを作るようにと、宿題もだされました。
小松先生は、自分で作られたハンドブックを今でも確認の為に
見られることがあるそうです。
今後も長く使うものになると思いますので、わかりやすく見やす
いものを作っていきたいと思います。
実技の時間では、「喉の痛み」や「咳止め」に対する標治法の
多鍼を行いました。刺鍼部位は、中指掌側のDIPとPIPをメインに
その間の部分です。
DIPの部分を密に刺鍼すること、と言われていたのですが、自分は
上から見た際に、まだまだ隙が多いと指摘を受けました。
また、右手、左手どちらから行えばいいかとの質問をした際に、
興味深い話をしていただきました。
胃痙攣を起こしている患者さん(後の先生の奥様)に対して、応急
処置として、胃の相応部に刺絡をしたそうです。片方の手に行った
際には、それ程の反応も効果も無かったそうですが、もう片方の
手に刺絡をすると、手のひらに血が溜まるほどの血液が出たそう
です。すると急激に症状が落ち着き、笑顔も見せられるほど回復
され、帰り際には何を食べに行こうかと、付き添いの友人と話を
されていたそうです。
私の質問に戻りますが、右手左手どちらからというのは無く、効果
が高い方に刺鍼すれば良いとのことですが、それがわからない場合
は両方に刺鍼すれば良いとのことでした。
男は左で女は右からなど、どうなんだろう?という答えではなく、
合理的で納得のできる回答であり、実践的だと感じました。
最後になりますが、小松先生はセミナーの中で「信念」についての
話をされました。
鍼の技術を上達させるには、高麗手指鍼の治療効果の高さを信じ、
この治療法で治していくのだという強い信念を持つことが大事であ
ると。
また、それは練習を繰り返していくことで、強まっていくもので
あるとも話されていました。
普段の言動から、小松先生自身が高麗手指鍼に対して絶対的な信念
と確信を持たれていることは、以前から感じていました。だから
こそ治療効果の高い治療ができるのだと思います。
自分はまだまだ未熟ですが、日々努力していきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。