スタッフ杉浦の高麗手指鍼セミナーブログ
第14期 高麗手指鍼学術セミナー・本科受講生の杉浦です。
第3回(平成30年6月17日開催)の高麗手指鍼学術セミナー・本科
を受講しました。
セミナーが始まる前に小松先生は、前回までの内容や何でもOKの
質問コーナーをもうけてくださいます。
いくつも質問がでてきましたが、その中で特に印象深かったもの
をあげたいと思います。
手指鍼での治療では、主に患部に行う多針(相応点に多くの針を
刺すこと。学校で習う標治法)と五治処方(学校で習うところの
本治法)があるが、どのように使い分ければいいか?また、治療
効果はどちらの方が高いか?という質問がありました。
小松先生は「病気は戦争」という例えで、わかりやすく教えてく
ださいました。小松先生曰く、多針は歩兵、五治処方は司令官
と考えるとのこと。運動器疾患は多針だけ、内臓疾患などは五治
処方だけでも効果はあるが、両方組み合わされるとさらにその
効果は相乗的に高くなるとのことでした。自分にとっては、とて
もイメージし易く参考になりました。
その他の質問では、針をするのは片手だけでもよいか、両手に
刺した方がよいか?という質問がありました。
その質問に対しては、片手だけでもよいが、両手に針をする方が
若干効果は高くなると言われておりました。さらに使い分けの
例として、癌などの治療では片方で癌細胞を瀉し、片方で正常
な細胞を補す方法などもあると教えていただきました。同じ部位
への治療で、補瀉同時にできるということには、驚きました。
その他にも、とても参考になる内容もありましたが割愛し、第三
回の講義の内容について記載したいと思います。
今回の高麗手指鍼セミナーの内容としては、主に「14気脈論
(前回の続き)」と「診断法」についての講義でした。
14気脈脈論では、胃気脈・脾気脈・心気脈・小腸気脈の範囲
について説明がありました。
教科書に記載されている効能については、流注が関係している
ことや治療に際しては流注の方向による補瀉が大事になること
などを教えていただきました。
流注については学校で習ったことと同じでしたので、ほっとした
と同時に学校での勉強が役にたったことに、少しうれしさを感じ
ました。
診断法では、「腹診」と「脈診」についての説明がありました。
学校で腹診にしろ脈診にしろ、いろいろと教わりましたが、結局
何も身についておらず、脈診に関しては習得することを完全に
諦めていました。
高麗手指鍼でも腹診、脈診を行うということで、正直、自分が
できるようになるのかなと、不安に思っていました。
しかし、先生の説明を聞いてみると難しいことはなく、これなら
できると思えるものでした。実際に隣のセミナー生と行いました
が、すぐに診断できるようになりました。
小松先生は、実際の臨床では腹心、脈診を行っておらず、FT
(フィンガーテスト)で診断しているので、なぜFTではなく腹心
、脈診を教えるのか疑問に思っておりました。
そのことについては、初心者はFTよりも腹心、脈診の方が簡単に
習得できるということと、実際の臨床現場で腹心、脈診を行うと、
いいパフォーマンスになり、集客に繋がるとのことでした。
小松先生も、最初のころはFTではなく腹心、脈診で診断していた
そうです。その上でFTの診断が、腹心、脈診の結果と同じになる
のか確認しながら、FTを習得していったそうです。
小松先生の今の治療方法をそのまま教えても、習得は難しく失敗
する可能性が高くなるとのこと。その治療方法を確立するまでの
プロセスも教えることで、習得が可能になるとのことでした。
他のセミナーでは、トップの方の方法をそのまま教え、そこに
至るプロセスを教えていないから、失敗していると言われていま
した。
最後になりますが、セミナー中で先生が言われたことで、自分の
心にグサッと刺さるものがありました。それは、「プレッシャーが
なければ量質転化は生まれない」という言葉です。先生は経営とい
う大きなプレッシャーがあり、量質転化を起こせたと言われていま
した。今の自分は日々の忙しさに流され、「量」が足りていないと
感じました。自分自身にしっかりとプレッシャーを与え、日々「量
質転化」を起こしていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。