スタッフ杉浦の本科7回目の講義

2019-01-07

第14期 高麗手指鍼学術セミナー・本科受講生の杉浦です。第8回(平成30年11月18日開催)の高麗手指鍼学術セミナー・本科を受講しました。

私はセミナーの最初の質問コーナーで、疑問に思っていたことを2点質問しました。
1点目は、胃の痛みがある場合の処方は、胃勝方や胃熱方だが、その際、逆の胃正方を行うと胃痛は悪化するのか?

2点目は、下痢をした際は、薬などで無理やり下痢を止めるより悪いものを出すほうがよいという考えがあるが、脾正方で止めてもよいのか?

1点目の回答は、長期に渡って逆の処方を行い続ければ悪影響が出てくる可能性はあるが、数回程度であれば効果がないだけで、殆ど影響はないだろうとのことでした。

2点目の回答は、食当たりや風邪などで下痢になった方は、まず治療院には来ない、過敏性腸症候群など慢性的に下痢を繰り返している人を対象としているとの回答をいただきました。また、熱を下げる処方もあるが、熱を上げることが大事な状況であれば、体が判断し熱は上昇することもあるとのことでした。他の受講生の質問で興味深かったのは、皮膚炎に効果のある処方を繰り返しおこなっていたが、段々効果がでなくなったため全く異なった処方を行ったところ、皮膚炎がよくなったとのことでした。その後、再度元の処方を行うと、再び効果がでてきたが、そのようなことはあるのか?との質問でした。回答としては、ずっと同じ処方だと体が慣れてきてしまい、効果が薄れることがあり、たまに違う処方を敢えて入れることはあるとのことでした。その内容については研究科でおこなう内容なので、本科ではまだ詳細な説明しないとのことでした。

今回の高麗手指鍼セミナーの内容としては、「運気体質検索法」と「個別疾患」についてでした。
運気体質検索法では、運気体質の検索の仕方を教えていただいたのですが、少々煩雑でわかりづらく混乱しました。しかし、セミナー講師助手の方にフォローしてもらい何とか理解することができました。何度か検索を繰り返していくと、コツがだんだんわかってきて、すんなり引けるようになりました。ちなみに私自身の運気体質は、右が「水土不及で陰実証」左が「水土大過で腎実証」でした。近々、運気体質による処方を、自分自身に行ってみたいと思います。

個別疾患では、風邪の治療法とそれに伴う随伴症状の処方を教えていただきました。随伴症状では、頭痛や発熱、のどの痛みなど、その他にも様々な処方を教えていただきました。また、上気道疾患、気管支炎、気管支喘息、肺疾患や消化器系の疾患として、口腔疾患、食道疾患、腸疾患など、まだまだありますがそのような処方を沢山教えていただきました。

実技の時間では、より実践的な内容になってきました。今回のお題としては、「48歳男性、昨日から発熱(39度)頭痛、喉の痛み」を訴えている患者を想定し、主たる五治処方と従たる五治処方及び多針を行うというものでした。またいつものように資料を見直しながら行いましたが、だんだん慣れてきたこともあり、それなりに早く打てるようになってきたと実感しました。そして次のお題は、「全身の悪寒、激しい咳と下痢」を訴えている患者で、こちらも主たる五治処方と
従たる五治処方及び多針を行うというものでした。こちらでは、私は患者役だったので、打たれる方でしたが刺鍼場所によって、かなり痛みを感じるところがあり、体が悪いのだなと思いました。

来月から先のセミナーも個別疾患の処方の方法であり、すぐにでも臨床で使える内容となっているので、とても楽しみにしております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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