高麗手指鍼本科セミナーブログ

2018-06-11

第14期 高麗手指鍼学術セミナー・本科受講生の杉浦です。

第2回(平成30年5月20日開催)の高麗手指鍼学術セミナー・本科
を受講しました。

入荷の関係上、私は今回遅れて教科書を購入しました。
教科書を手に取り、パラパラっとページをめくりましたが、正直
げんなりしました。
ページ数は約700ページと分厚く、手に14気脈、345個の穴が
びっしり記載されている図や漢文などもありました。
これからこの本を読み込み、習得するとなると、どれだけ時間が
必要になるのかと・・・
もう一度、3年間学校に通うくらいのインパクトがありました。
小さい子供2人の育児をしている私にとっては、悲壮感すら漂い
始めていました。
しかし、講義が終わる頃には、そのような悲壮感は全く無くなっ
ていました。

今回の高麗手指鍼セミナーの内容としては、主に「要穴論」と
「14気脈論」についての講義でした。

要穴論では、命穴、気井穴、五輸穴、気募穴、気兪穴、八性穴
(高麗手指鍼独特の言い回しですが、それぞれ学校で習う要穴
でいうところの原穴、井穴、五行穴、募穴、兪穴、八総穴にあた
ります)について、話をしていただきました。
学校でこうした要穴をすべて覚えるのは大変苦労したので、高麗
手指鍼としての要穴をまた覚えるということには、溜息が出そう
でした。
しかし、大事なところやそうでないところ、また覚え方のコツなど
も教えていただけたので、それほど大変なことではないなと思えま
した。例えば、気兪穴は臨床ではあまり使わないので(高麗手指は
直接臓器にアプローチ出来るため)、必ずしも覚えなくていいこと
や、五輸穴は五治処方で使用するので必ず覚える必要があるが、
法則性があるので覚えやすかったり、さらに大事なのは小指側半分
だけなど。
覚えるポイントを絞っていただけたので、とても気が楽になりま
した。

次に14気脈脈論の話がありましたが、ここでもすべて覚える
必要はなく、五輸穴と流注の向きが大事であると説明されてい
ました。その際、手を四つん這いで考えるとわかりやすいと言わ
れ、実際に行ってみると、とてもイメージが湧きやすく目から
鱗が落ちる思いでした。

また、治療穴についての説明の際に、とても興味深い話をして
いただきました。小松先生は高麗手指鍼を学び始めた際、本当に
効果があるのか、プラセボ効果ではないのかなど疑いながら治療
をしていた頃があったそうです。
そこで、首と膝の両方悪い方に、膝の治療をすると患者さんに説明
しておきながら、実際には首の治療を行い、こっそりと実験をした
そうです。
結果は、膝は良くならなかったが、首は良くなったとのこと。
他にも治療穴の場所が本当にその場所で良いのかも疑い、いろいろ
と試したそうですが、最終的に辿り着いた穴の場所は教科書に記載
されている場所と綺麗に一致したそうです。

以前、小松先生は高麗手指鍼セミナーでは予習をする必要はなく、
復習だけすればいいと言われておりました。
今回の高麗手指鍼セミナーを通して、その意味がよくわかりました。
何が大事かわからない状態で教科書を読み込もうとすると、膨大な
エネルギーと時間が必要になります。しかし、小松先生は大事なポイ
ントを絞り、臨床で治療をできるようになるための最短距離を提示
してくれていますので、それほどの労力は必要となりません。

次回の第三回高麗手指鍼セミナーを受講する前に、しっかりと復習を
して臨みたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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